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続々々々「特別家賃支援給付金」詳細

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         引用元:経済産業省 家賃支援給付金に関するお知らせ
             https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html

 令和2年6月12日、令和2年度第2次補正予算が成立しました。
これに伴い、7月2日にテナント向けの家賃支援給付金の詳細も公表されています。

・予算総額15兆9114円のうち、家賃支援給付金の予算額は2兆242億円。
・法人に最大600万円、個人事業者に最大300万円を一括支給。
・複数店舗を有するか否かの区別なし。
・駐車場の賃料も支援の対象。

気づいたところ、みていきます。

 

 支給対象


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① 対象事業者

資本金10億円未満の中堅企業からフリーランスの個人事業者まで、また会社以外の法人も幅広く対象となっています。

ただし、一部風俗は除くとの話もあります。

持続化給付金と同様、いわゆる風営法の「性風俗関連特殊営業」、当営業に係る「接客業務受託営業」は支援対象から除外されるかもしれません。

② 売上高減少の度合い

売上高は、前年と今年の「5月~12月」のどこかで比較します。4月は対象外です。

4月を対象外とした理由は、前掲のチラシ冒頭のとおり家賃支援給付金制度が「5月の緊急事態宣言の延長等」により売上が減少した事業者の支援と位置づけられているためです。

「連続する3ヶ月の合計で前年同期比▲30%以上」とは、例えば以下のとおり、3ヶ月連続の売上の合計を前年同期で比較して30%以上減少している場合を指します。

 5月  40%減
 6月  30%減
 7月  20%減
 平均   30%減

③ 自ら事業のために占有する土地建物の賃料

後述しますが「土地の賃料」には店舗敷地ではない駐車場等の賃料も含まれます。

「自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払い」となると、コワーキングスペースをシェアしている方々は対象外となるのか気になります。

 

給付額


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給付額は既報どおり2段階です。

1段目は支払賃料の2/3、2段目として支払賃料の1/3が上乗せされます。

上限額は以下のとおりです。

法人 1ヶ月上限100万円×6ヶ月=600万円
個人 1ヶ月上限50万円×6ヶ月=300万円

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支払方法は「一括支給」です。
様子をみながら数ヶ月分を分割して支払うという案もあったようですが、スピード重視で。

給付額の算定基準となる家賃は「申請時の直近1ヶ月における支払賃料(月額)」です。

申請のタイミングに注意です。
免除や猶予で直近1ヶ月の支払賃料が減額された状態ですと、その減額された金額が基準になり、給付額が少なく算定されます。
免除や猶予が終わり賃料が通常に戻ってから申請することも検討の選択肢です。

 

必要書類


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①②は家賃支援給付制度独自の資料です。

②で「申請時の直近3ヶ月分の賃料支払実績を証明する書類」が求められています。賃貸借契約は少なくとも3ヶ月継続していることを条件とする趣旨かも知れません。

③④は持続化給付金と同様です。

 

給付金の申請時期


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期限は2021年1月15日まで。それまでならいつでも申請できます。
ただ、給付額は申請時の直近1ヶ月の支払賃料を基準に算定されるので、免除・猶予が終わり賃料が通常に戻ってから申請することも検討の選択肢です。

 

複数店舗は不要


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前述のとおり、給付額は2段階です。
1段目は支払賃料の2/3、これに2段目として支払賃料の1/3が上乗せされます。
2段目の上積みを得るには、複数店舗を運営していなければならないのではと懸念されていましたが、不要とされました。
1店舗運営でも賃料が高額なら、複数店舗運営と同様、2段目の支援が必要です。

なお、申請は事業者単位で行います。
複数店舗を運営していても、申請は事業者でまとめて行い、その事業者分として給付を受けることになります。

 

ローンは対象外


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事業者自身がローンを組んで店舗を所有している場合、そのローンは支援の対象外です。

 

自宅兼事務所の家賃


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自宅を賃借して、その一部を事務所として使っているケースも対象となります。
ただし、「支払賃料」は面積割等で按分して算定し、給付金額もこれに基づいて算定されます。

 

借地の賃料も対象


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土地を店舗の敷地として賃借している場合は支援対象として明らかでしたが、店舗を伴わない駐車場や資材置場として賃借している場合も支援対象とされることが明らかにされました。

 

管理費や共益費の取り扱い


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管理費や共益費は厳密には賃料ではありませんが、賃料と一体に取り使われる場合等一定の場合は賃料に含まれます。

 

地方自治体からの支援との併給も可


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地方自治体独自の家賃支援との併給が可能です。
ただ、「給付額の算定に考慮される場合があります。」と給付額への影響が示唆されています。

 

その他

チラシにはありませんが、不動産がA→B→Cと転貸されているとき、支援の対象はCのみです。サブリースをしているBは支援の対象になりません。

また、大家には、テナントによる給付金の受領について連絡があるとのこと。
給付金が家賃に宛てられるようにとの配慮でしょう。

 

まとめ

以上、家賃支援給付金の詳細でした。

受付は7月中旬ころから始まり、申請から1ヶ月程度で給付されると伝えられています。

更なる詳細が発表されれば、お伝えします。